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ブランドリニューアルと価格改定のお知らせ

いつもMABOROSHIをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

私たちはこれまで、香りを通して心身のバランスに寄り添うものづくりに取り組んできました。
この節目にあらためて歩みを見つめ直し、支えてくださった皆さまに心より感謝を申し上げます。

そして今回5/29(木)より、ブランド名を「MABOROSHI」から「maboroshi」へと改めることといたしました。
日々の暮らしに、より優しく寄り添う存在でありたいという想いを込めています。
「時を五感で感じる」という視点を、これからのものづくりの軸として大切にしながら、
私たち自身が心から愛しめるものを、一つひとつ形にしていく。
香りに限らず、心と身体の調和を育む“”を届けるものづくりを、これからも重ねてまいります。

The concept of maboroshi

太古の昔、火は雷や火山を通して人類にもたらされた。その発見の驚きや恐れはどれほどであっただろう。それからどのくらい経った頃か、人類はついに火を手に入れた。どんなにか喜び、そして畏れも忘れなかっただろう。火を得たことで加熱調理が始まり、食べられるものの種類が増え、栄養摂取率も大幅に高まった。また、火がもたらす明るさや熱は、夜間の活動を可能とし、寒さ、獣や虫からも身を守った。人類は大きく一歩を踏み出した。止まることなく歩き、歩き続け、こんなに遠くまでやって来た。そうして火が日常に当たり前の存在となった現在でも、その暖かさや揺らぎに心安らぎ、同時に、圧倒的な力を思い知らされ、ただ立ち尽くす時もある。それでも決して火を手放すことはない。古代は確かに私たちの中に息づいている。

 

火を手にしたことにより、人類はもう一つの可能性に触れることになる。香りである。香水、香り等の意味を持つ英語のPerfumeは、ラテン語のPer Fumum、すなわちthrough somokeが語源だという。火が途絶えないよう草木を集めては燃やす内、立ち上る煙に何か得も言われぬよい香りがする。その感知の瞬間が相当に劇的であっただろうことは想像に難くない。やがて香りは様々に形を変え、神への捧げ物となり、国の東西や時代を問わず宗教的な場面で多く用いられるようになった。防腐や防臭、治療といった実質的な効能を超え、神に近付き、自分自身の中に深く潜る手助けともなり、清浄も官能も引き寄せた。
それ自体は目には見えない香りの証のようにして煙は立ち上る。真っ直ぐに天を目指す姿は精神の象徴とされる。精神もまた目には見えない。今ここと言っているそばから過ぎ去り、移り変わり、しかと掴み取ることは出来ない。まるで幻のようである。その儚さを知っているからこそ、私たちは向き合おうとする。深い森に分け入り、暗闇の中を行く時、灯る火は道を照らし、香りは導びく。そして私たちは、静かで穏やかな開かれた場所へと辿り着くだろう。

 

The products of maboroshi

この世界に存在する事物や現象は全て、陰と陽に分類されるという。相反する性質や特徴を有するこの二つの気は、ただ対立しそれぞれに独立しているわけではない。陰がなければ陽はなく、陽がなければ陰もない。相互に影響し合い、二つが調和してはじめて自然の秩序が保たれる。
自然の一部である私たちの心身のバランスもまた日々変化する。明るく輝く日もあれば、暗く沈む日もある。必ずしもどちらかが善でどちらを悪と考えるのではなく、今日の偏り具合を観察してみる。そんな風にして自分自身と向き合うことへと導く装置のようなものとして、香りを捉えてみてはどうだろう。翳りある時には空間や身体を香りで満たし、森の中で深呼吸するようにして開放感を楽しむ。昂る時は暗闇を作り、わずかに灯る炎を頼りに静かに内省するのも悪くない。あるがままでいることの自由と徹底的に意識の中に潜っていくこと。この二つは背中合わせに一つのことである。

Maboroshiのプロダクトは職人、調香師、デザイナー、農業家や研究者等携わる多様な人々の五感を通し、それぞれの解釈をもって形になる。研ぎ澄まされた個は調和することで逆説的に無名性を帯びる。陽が極まれば陰に転じ、陰が極まれば陽に転じるように。

 

線香 / incense

「情景を想い起こす香り作り」
世界は香りで溢れている。
自然は四季折々、その瞬間を切り取った香りに出会わせてくれる。
無数の香りの重なりは天候等の条件によって様々に変化を遂げる。翌年の同日に同じ場所を訪れてたとしても、再び出会うことは叶わない。一期一会の自然の恵みである。
香りは過去の記憶を呼び起こしたり、想像力を豊かにしてくれる作用があり、東洋においては清らかな心を想起させる尊ぶべき存在として位置付けられてきた。
陰、陽、整の三つの香りは、それぞれ茶の木、檜、苔を軸に調香され、全て自然由来の素材から成る。ひとたび火を灯せば、そのテーマと香りに導かれるようにして、心の奥底にある情景を呼び起こすきっかけをももたらすだろう。

 

「心の鏡となる煙の姿」
利便性や安全性を優先してきた現代においては、煙に触れる機会は限られている。
それでも、都市部を抜けた自然に近い暮らしの中では、まだ目にすることが出来る。
何も考えずに眺めていると、不思議と気持ちが安らいでいく。東洋では煙から心を感じるという考えがあり、人々は目には見えない心を煙の姿に重ねた。
同じ姿は二度となく、変わりながら消えていく。
消え去った後に残された間を、香りと共に、余韻として感じ取る。
美しさには儚さが伴う。
線香という名に、煙が清らかな線を描き、香りをもたらすという意味を込める。
一日の中のある一時、線香を眺めるという習慣を作ってみる。
香りを楽しむに留まらない気付きや豊かさは想像以上だろう。

燃焼時間:20分
長さ:7cm

Perfumer:Barnabe Fillion
製造:山田松香木店

 

陰 / Yin

自然素材を巧みに用いた住まいは、自然を遮るのではなく、いかに調和しながら暮らしを営むかを主眼としてきた。日本家屋の中に身を置くと、人と自然両方の気配や時の流れが心身に染み渡ってくる。ここでは、外と内の境界線は曖昧であり、自然の厳しさ、静けさや穏やかさもが当たり前のように広がる。

「陰」の香りは、和室で一杯のお茶をゆったりといただくような日常の一場面を思い描き、訪れる心の静寂と安らぎを表現した。
素材 : 緑茶、マテ、赤海苔


整 / Harmony

森や渓谷、手入れの行き届いた庭、身近な路地でも目にすることができ、植物、虫、土、石、それぞれを活かし、繋ぐ存在である苔。結び紡がれた場には調和が生まれる。繊細さと様々な環境への適応力を持ち合わせ、柔らかく、整然として秩序をも感じさせる姿に心落ち着く。瑞々しさと愛くるしさは目にも優しく、多くの人々を魅了する。
「整」は、苔生す日本庭園を眺めた時に感じる静けさ、その先に広がり深まる情景を表している。
素材:白檀、干し草、ベチバー


陽 / Yang

古来より人々は清浄さを求めてきた。伊勢神宮の式年遷宮では、神木によってお社が一新され、蘇る。白き肌や木の香りから放たれる神々しさ、生命力は印象深い。他方、古寺に漂う時の流れがもたらす深みある彩りや香りも心に充実感を与える。
このような象徴的な存在は、凛とした姿で私たちを導いてくれ、時に優しく包み込む。「陽」は、日常に清浄さを取り入れ、慈しむひと時を思い描き、心地よい緊張感と高揚感とを表した。
素材 : 檜、杉、ピンクペッパー


茶香炉 / incense burner

19世紀、庶民の暮らしの中で「茶香炉」は生まれた。人々は当たり前に手間暇を掛けて暮らしていた。現代の私たちからすると、一見、非効率的で無駄が多いと思われるかもしれないが、本当にそうであろうか。彼らは自然の大切さを知っていた。心の豊かさもだ。それを知恵と呼ぶ。Maboroshiの「茶香炉」は、その知恵への敬意と学びを形にした一品である。
まずは蝋燭を灯し、葉を皿へ。漆黒の中でささやかに揺れる炎と徐々に焙煎される香りとを楽しんでいただきたい。姿に静けさを、香りに安らぎを感じ、心身の癒しとなるだろう。時には焙じた葉に湯を注いで味わってみる。視覚と嗅覚とに加え、味覚にも働き掛けられ、一層体験は深まる。ひと手間を掛ける行為一つ一つが豊かさを生む。いつ、どのようにして、に正しい答えはない。それぞれの暮らしの中で、あなたにとって最適のひと時に、心地のよい仕方で取り入れていただきたい。ひとたび火を灯せば、五感で自然を感じ、心身は調和へと導びかれるだろう。

<皿>

直径:15cm
高さ:2cm
素材:陶器

<身>
直径:13.5cm
高さ:8cm
素材:磁器

デザイン:猿山 修
製造:マルヒロ


小皿 / small plate

蝋燭を置くことを形にした器。小皿の上の灯火をただ眺める。一瞬の連続の中に永遠をも感じる尊く緩やかな時が流れる。自然と心が落ち着いていくことにふと気が付く。
自在鉤に掛ければ空間が様変わりし、逆説的に余白が生まれる。器を構成する曲線は境界線となり、緊張感を漂わせながらも、隔てるでのではなく調和し、静けさをもたらす。 線香を灯せば、揺らぐ燈から高く漂う煙へと景色は移り変わる。この手のひらに収まる小さな器は、添う物を大きく受け入れ空間と結び合わせ、観る者を心地よく包み込み、慰める。

直径:9cm
高さ:3cm
素材:磁器

デザイン:猿山 修
製造:マルヒロ


自在鉤 / jizaikagi

Maboroshiのプロダクトデザインを手掛けるデザイナー猿山修氏主宰のギュメレイアウトスタジオを代表する「自在鉤」。
同氏が手掛けたMaboroshi小皿のデザインをより引き立てるよう、先端のフックが小さく最もシンプルな仕様を選びました。
自在鉤、自在鉤用受け、小皿の順に設置します。自在鉤は、金属同士の摩擦を利用した仕組みで、お好みの長さで止めることが出来ますので、空間や設えによって自由に調整してください。小皿は、香りのブランド “Maboroshi” オリジナルです。お香を焚く、キャンドルを灯す、草花を活ける等、様々にお楽しみ頂けます。

自在鉤:高さ76cm~129cm
受け:直径6.6cm、高さ11cm

デザイン:猿山修



 

価格改定について

今回のリニューアルに伴い、5/29(木)より一部商品の価格改定および販売終了商品がございます。
新価格は以下の通りです。

商品名

旧価格(税込)

新価格(税込)

kouro #01

¥17,500

¥23,100

small plate

¥3,500

¥4,400

jizaikagi

¥19,800

変更なし


[新商品]

incense 30本入

¥4,290


incense 90本入

¥9,900






なお、下記商品につきましては5/14(水)をもって販売を終了させていただきます。

・maboroshi41
・maboroshi41 for MAISON
・aomori hiba
・roselle
・botanboufu
・holy basil
・jindai sugi
・kouyamaki
・yomogi
・spiral incense
・fracrance mist
・essencial oil


 

サイトメンテナンス及びURL変更のお知らせ

リニューアル準備に伴い、2025年5月15日(木)よりオンラインストアの一時メンテナンスを実施いたします。
メンテナンス中はサイトへのアクセスおよびご購入が一時的にできなくなりますので、
ご不便をおかけいたしますが、あらかじめご了承いただけますと幸いです。

また、メンテナンス前には一部商品の在庫が終了となる可能性がございます。
特にご好評をいただいている「kouro #01」は在庫数が限られておりますので、
ご希望のお客様はお早めにご検討いただけますと幸いです。

なお、5月29日(木)より、オンラインストアのURLが新たに「https://maboroshi54.shop/」へ変更となります。

ブックマークなどをご利用のお客様は、恐れ入りますがご確認のほどお願いいたします。

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